かぜも退散!爽やかな風味と共に有効成分を!・・・ゆず
産地と属性
ミカン科の常緑植物。漢字では「柚」あるいは「柚子」と書く。
原産地は中国で、日本には奈良時代に朝鮮半島経由で伝わったとされている。
おもな生産地は、四国地方の高知県、徳島県、愛媛県。
かんきつ類のなかでも酸味が強く、生で食べるには向かない「香酸かんきつ類」の一種で、果汁や果皮を使うことが多い。
種をまいてから結実までの期間が長く、「桃栗3年、柿8年、柚の大ばか16年」などともいわれる。
果皮が青い「青ユズ」と「黄ユズ」の2種類があるが、一般的に知られているのは「黄ユズ」。
旬は、「青ユズ」は7~10月、青ユズが熟した「黄ユズ」は10~12月。
冬至にユズを浮かべた風呂に入ると、一年じゅうかぜをひかないという言い伝えがあり、これは「冬至」と「湯治(とうじ)」をかけており、「柚子(ゆず)」だけに「融通(ゆうずう)がきくように」という願いがこめられるといわれている。
栄養成分の働き
果実にはクエン酸や酒石酸、リンゴ酸が多く含まれ、胃酸の分泌を促し、胸やけや胃痛を解消する。
また、果皮は果汁よりも豊富なビタミンCを含んでおり、抗酸化作用によって美肌効果がある。
香りや苦味成分であるリモネンやリモイドには、かぜの予防や、がん予防、疲労回復、抗ストレスにも効果がある。
皮には精油成分のリモネンやリナロールを含む。
血行促進や消炎作用もあるので入浴剤としても。
冬至の日に柚子湯に入るのは年末の疲れを癒し、体を芯から温めて風邪を予防する。
荒れた肌を整えるなど、多くの効果がある。
栄養成分
カリウム、ビタミンC、カルシウム、クエン酸、酒石酸、リモネン、リモイド、リン、ビタミンP、フラホノイド
注意点
必ず食べる前に切ること。
切ったままにしておくと、切り口が酸化し、ビタミンCや香りが失われてしまう。
ポリ袋に入れて冷蔵庫の菜室で保管を。
ポイント
果汁は、鍋物や焼き魚などの調味料に使われる。
果皮は、ジャムやお菓子、みそ、飲み物といった飲食用のほかにも、ボディローションといった美容関連でも使用されている。
血行を促進させる精油成分があり、新陳代謝が活発になるため、疲れや痛みの回復、冷え性にも有効。
ゆず種子は万能
一つの果実に約20個の種が含めれる。民間療法では種子の黒焼きを関節痛に用いる。
種子を日本酒に漬けたものは美肌化粧水に。
また、香成分のリモノイドや食物繊維のペクチンなど、果肉や果皮に劣らぬ有効な成分を含む。
皮の利用
よく洗ったら、白いわたがはいらにように薄く削ぎ、ざるにならべカラカラに干す。
密閉容器に保存して、お茶や入浴剤に。
*簡単レシピ動画