喉の風邪に小さな果実を丸ごと召し上がれ・・・きんかん
産地と属性
ミカン科、常緑低木。柑橘(かんきつ)類。別名「姫橘(ひめたちばな)」。
柑橘類の中で最も小さな果実で、樹高は2mほど。夏から秋にかけて花を咲かせ、緑色の実をつけ、晩秋から冬になると実が熟して色づく。
旬は晩秋から春にかけて。
原産は中国・揚子江の中流域、江西省あたり。日本に渡ってきたのは江戸時代、またはそれ以前など諸説がある。
国内では宮崎産のものが多く、丸金柑、長寿金柑、寧波(にんぽう)金柑などの品種がある。
果皮は厚くオレンジ色をしていて、甘みと苦みがあるが、そのままでも食べられる。
果肉の酸味と苦みが強いものは甘煮、シロップ漬け、マーマレード、ゼリー、キンカン酒に向く。
近年は甘味を増して食べやすい品種も。
栄養成分の働き
皮の部分は果肉以上にビタミンCが豊富。
働きのなかでも風邪、がん、老化、動脈硬化、高血圧の予防によいとされる。
また、ビタミンCの吸収を高めるビタミンPも含まれる。
のどの痛みやせき、たんを伴う風邪には、甘煮などが民間薬としても重宝される。
そのほかにも、美肌や疲労回復にも役立つ。
熱を加えてもよいが、ビタミンCの効果を期待したい場合は生食がよい。
また、骨や歯を強くするカルシウムの含有量は、果物の中で最大。
カルシウムなどのミネラル分は加熱しても損なわれないので、保存食に使ってもよい。
皮ごと食べれれるので、皮や筋に含まれるポリフェノールのヘスペリジンをたっぷり摂取できる。
栄養成分
ビタミンC、ビタミンB、ビタミンE、ビタミンP、カルシウム、カリウムなど
注意点
室温で保存できる期間は短いため、早めに食べるか調理すること。
ポイント
皮にツヤがあり、なめらかで、きれいなオレンジ色をしているものを選ぶ。
保存期間は室温で2~3日、冷蔵庫で1週間ほど。ジャムや甘煮にしておけば、長期保存も可能。
ヘスペリジン・ナリンギン・・・温州みかんやハッサク、だいだいやキンカンなどの果皮や薄皮に含まれる苦味成分で、ポリフェノールの一種。毛細血管を強くし、血管から異物が進入するのを抑制するので、抗アレルギー効果があるほか、抗炎症作用も知られる。ビタミンと似たような作用があるのでビタミンPとも呼ばれる。
*カンタンキンカンジャムのレシピ動画
|