免疫力アップ!風邪予防にも嬉しい「れんこん」
産地と属性
ハスの地下茎の先端部が肥大したもので、冬から春先にかけて収穫される。
原産地は、中国、エジプト、インドといわれている。
日本へ渡来したのは鎌倉時代で、おもに観賞用として花を育てていた。
食用に栽培されはじめたのは、明治以降からである。
江戸時代から日本にある在来種の「日本れんこん」はすらりと長く味も濃厚だが、根が深く収穫困難。
そのため中国から導入された品種を改良。「中国れんこん」が現在の主流になった。
形は太く短く、病気に強いので全国的に普及。
レンコンを切ると、10個ほどの穴があいている。
この独特の形を「見通しがきく」といって、おめでたい席の料理に縁起物として使われる。
また、利尿作用が強いので、膀胱炎にも有効といわれ、熱を加えずに皮ごとすりおろして絞り汁を飲むとよい。
旬は2~3月。
栄養成分の働き
主成分は炭水化物。
タンパク質、ミネラルは少ないが、ビタミンCは豊富である。
Cはタンパク質とともに働き、コラーゲンの生成を促し、粘膜を丈夫に保つ働きがあり、風邪の予防にも効果的である。
また、切ったときに出る粘りけのある成分は、ムチンという糖タンパクの一種。
ムチンはたんぱく質や脂肪の消化・吸収を助け、胃腸の粘膜を保護する働きをもっている。
ほかにも、消炎作用や収れん作用のあるタンニンという成分を含み、胃の負担を軽減し、疲れた胃腸のトラブル解消に役立つ。
タンニンには血圧降下作用、止血作用、抗酸化作用も期待できる。
栄養成分
炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミンB1、ビタミンC、鉄、カリウム、食物繊維、タンニン、カルシウム
注意点
切ったままにしておくと、酸化して変色してしまうので、切ったらすぐ酢水にさらすとよい。
日もちしないので、早めに食べきること。
鉄鍋と接触すると青紫色になるので、注意すること。
ゆでるときに時間をかけすぎると豊富な栄養素が流れ出てしまうので、さっとにする。
一度に食べすぎると胃腸に負担がかかるので、熱があり、便秘をする人は控えたほうがよい。
ポイント
切り口が新しくて傷がなく、茶色に変色していないものを選ぶとよい。
節と節との間が長くて太く、穴が小さいものが良質である。
漂白したものは避ける。
受験生にれんこん料理
れんこんは100gで1日に必要なビタミンC量の約半分を賄える。
粘膜を丈夫にし、ウイルスの核酸を壊して風邪をひきにくくしたり、疲労を回復する効果もある。また、複数の穴が空いていて「先の見通しがきく」縁起の良いものとしても受験生に嬉しい食材。
すりおろしのオススメ
れんこんに含まれる酵素のアミラーゼには消化を助ける働きが。酵素はすりおろすと活性化、疲労回復効果もアップ!
*簡単!オススメれんこんレシピ動画
新米の季節。アミロペクチンでもっちもち!世界でもメジャーなもち米。
産地と属性
原産は、東南アジア地域といわれており、そこから世界中に広まった。
日本でのおもな生産地は、北海道、佐賀県、新潟県、岩手県、熊本県。
もち米を利用するのは、東南アジアや東アジアの国々に多く見られる。
栄養成分の働き
もち米の粘り気を出す成分であるデンプン質のアミロペクチンは、体を動かすエネルギーのもとになったり、筋肉などにグリコーゲンを蓄えたりする働きをする。
デンプン質のレジスタントスターチは体内で消化されにくいので、食物繊維と同じ働きをする。
整腸作用や血糖値上昇の抑制、血中コレステロールを低下させる働きをもつ。
栄養成分
たんぱく質、アミロペクチン、アミロースなど(玄米なら、ナトリウム、食物繊維など)
注意点
もち米は、いろいろな食品や調味料に利用されているので、米アレルギーのある人は、成分表示を確認してほしい。
ポイント
目の疲れに効くアントシアニンが豊富!・・・ブルー・ベリー
産地と属性
ツツジ科スノキ属。原産地は北米。
20世紀に生まれたあたらしいフルーツ。日本では1960年代後半から、栽培が始まった。
栄養成分の働き
豊富に含まれるカリウムは、高血圧の予防に役立つ。
ビタミンEは、動脈硬化、老化の防止に役立つ。
青紫の色素 アントシアニンは眼精疲労、夜間の視力低下、胃潰瘍の症状を和らげる。
アントシアノサイドという物質は大腸菌や感染症の細菌を殺すため、下痢止めとして役立つ。血管壁にコレステロールが沈着するのも抑制し、動脈硬化の予防にも役立つ。
抗酸化作用のあるポリフェノールは、心臓病やガンの予防を助ける。
栄養成分
カリウム、ビタミンE、カロテン、食物繊維
注意
輸入品を食する場合は、特に丁寧に水で洗って農薬を洗い落とす。
ポイント
目の不調の改善を期待するさいは、生よりも栄養価の高い乾燥した、かつ野性のものを。
アントシアニン
赤〜青〜紫の色素成分で抗酸化作用を持つポリフェノールの一種。
アントシアニンは500以上の種類があると言われ、その中にはナスニンやシソニンも含まれる。
目は、外から入ってきた光により、網膜で結ばれた橡を信号に変換、見えたと確認する。その信号に関わるのが視神経細胞にあるロドプシンという色素成分。
ロドプシンは分解と再合成を繰り返しているが、その再合成に関わるのがアントシアニン。
アントシアニンには目の健康を維持する働きのほか、生活習慣病予防効果も。サプリメントも多いが過剰摂取には注意を。
より効果の高いビルべりー
ブルーベリーの近縁種で、アントシアニンの量はブルーべりーの倍以上。
ただ国内生産はほとんどなく、冷凍品や加工品、サプリメントでの入手がメイン。
*かんたんブルーベリーレシピ動画
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主食にもなる高エネルギー野菜・・・とうもろこし
産地と属性
原産地は中南米。日本の産地は、北海道、青森など。旬は6~9月。
米、小麦と並ぶ世界三大穀物のひとつで、日本では各地方によって「とうきび」や「もろこし」など、さまざまな呼び方がある。
栄養成分の働き
黄色い色素のゼアキサンチンには、β-カロテンよりも強い抗酸化作用が期待されている。
良質な植物性油脂やビタミン、ミネラルがバランスよく含まれ、ビタミンEが老化を防止し、アンチエイジングに役立つ。
ふんだんに含まれるリノール酸が、コレステロールの抑制に役立ち、動脈硬化を予防する。
トウモロコシに含まれるビタミンB群は、茹でてもあまり損失しない。糖質の代謝を促すので、疲労回復や肥満防止を助ける。
野菜としては糖分が多く、夏を乗り越えるのに必要なエネルギー源として役立つ。
東洋医学では滋養強壮、整腸、胃もたれ、イライラの鎮静などに用いられる。
利尿作用があるので、トウモロコシ1本分の実を、1カップの水で煮詰めて飲むと、むくみ解消に役立つといわれる。
また体内で合成されない色素成分ルテインは目の健康にも役立つ。
若どりしたヤングコーンは成長したものに比べ栄養面に大きな差はないが、カロリーが低くカルシウムが多い。
栄養成分
ビタミンE、リノール酸、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、食物繊維、ゼアキサンチン
注意点
収穫後に鮮度の落ちるスピードが速く、数時間で甘みが半減する。
保存期間は冷蔵庫で一日ほどなので、すぐに食べないときは茹でて、ラップに包んで冷凍するとよい。
ポイント
皮の色が鮮やかで、粒の揃った実がミッチリと詰まっている。
トウモロコシの胚芽からつくられるコーン油は、リノール酸をたっぷり含んでいるので、炒めものなどに利用するとよい。
*簡単!とうもろこしレシピ動画
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密かなブーム!オールマイティな調味料・ナンプラー
産地と属性
タイ料理には欠かせない調味料で、ナムプラーと記される場合もある。
魚を塩で発酵させたいわゆる「魚醤」の一種であり、タイ語でナン(nam)は「液体」、プラー(pla)は「魚」を意味する。
製造方法は、イワシなど小型の海水魚に大量の天然塩を加え、数ヶ月以上発酵させる。基本的に魚は下処理をしないでそのまま漬け込むため、内臓に含まれる酵素によってたんぱく質が分解され、旨み成分となる。
長期間熟成した方が良いとされるが、通常は1年から1年半くらいで出荷される。
出荷にあたっては、少量の砂糖が加えられる。
製品にはランクがあり、フィルターによって最初に漉し取られたものは「1番搾り」と呼ばれ、2年熟成させた1番搾りが最上級品とされている。
1番搾りのあとに残った液体をさらに発酵させてアミノ酸や酢酸を加えたものが「2番搾り」、さらに残った固形物を溶かし、アミノ酸や酢酸を追加したものが「3番搾り」と呼ばれている。
臭みがなくまろやかな口あたりの1番搾りは、つけ汁などに。
2番・3番搾りは炒め物やスープなどの調理の味付けに使うことが多い。本場タイでは、調理の際の塩の代わりとして用いることもある。
栄養成分とその働き
もっとも多く含まれる成分はナトリウムで、次に多いのがセレン。
セレンは、体内でたんぱく質の中に取り入れられ、抗酸化や抗炎症作用がある。
その他、原料の魚に由来するマグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラル類やビタミンB群なども含まれている、また、タウリンを含むため、血圧を下げ、疲労回復などの効果が期待できる。
ナンプラーのうま味は、グルタミン酸などのアミノ酸によるもの。
注意点
長期に使うことが前提の場合は、ペットボトルの容器のものより、変質しにくいガラス瓶や陶器に入ったものを選ぶこと。
また、直射日光を避けて冷暗所で保存し、開封後は冷蔵庫で保管しても良いが、塩の結晶がでることがある。
ポイント
同じような調味料に、ベトナムのヌクマム(ニョクマム)がある。
どちらもほぼ作り方は同じだが、一般的にナンプラーは魚の香りが軽めで塩気が強め、ヌクマムは発酵度合いが低いため、色が濃く魚臭さが強い傾向にある。
歴史的に見ると、ベトナムのヌクマムがタイに伝えられてナンプラーが生まれたとされている。
また国産の魚醤としては、秋田県のハタハタを原料とした「しょっつる」、石川県のサバやイワシを原料とした「いしる」やイカを原料にした「いしり」、香川県のイカナゴを原料とした「いかなご醤油」などがある。
*ナンプラー簡単レシピ動画
疲労回復でスタミナアップ!・・・アスパラガス
産地と属性
ユリ科の多年草。原産地は、西アジア。日本での産地は、長野、北海道、長崎。
旬は、3月~6月。冬は輸入物、またはハウス栽培ものになる。栽培法の違いによってホワイトグリーンアスパラとグリーンアスパラの2種類がある。栄養価はグリーンアスパラのほうが高い。
栄養成分の働き
ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸を多く含み、疲労回復、体の粘膜の保護、口内炎や悪性貧血の予防・解消を助ける。
新陳代謝を活発にして活力を高めるアスパラギンも多く、スタミナの強化、潤いの肌を保つのを助ける。アスパラギンは芽の部分に集中的に含まれている。
活性酸素の発生を抑制するビタミンE、毛細血管を丈夫にするルチンも多く、動脈硬化や高血圧の予防に役立つ。
栄養成分
カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、食物繊維
ポイント
輸入物よりも、国産のほうが栄養素は豊富。細いものより太いもののほうが味がよい。
コラム
以前スイスで旬のホワイトアスパラのステーキを食べて感激!
直径2センチ以上の立派なアスパラが塩胡椒とバターでシンプルな味付け。ヨーロッパでは春の味で定着しているようですね。近年国産も本当に増えてきました。
*シンプルイズベスト!簡単アスパラレシピ動画
実も葉も高い栄養価!・・・びわ
産地と属性
バラ科の常緑高木。原産地は、中国。
日本に自生もしていたが、栽培は9世紀ごろ中国から伝わって始まった。
日本の産地は、長崎、鹿児島、愛媛。旬は5月~6月。
普通の果物とは異なり、秋から冬にかけて花が咲き、夏に実がなる。
栄養成分の働き
豊富に含まれるカロテンは、果物の中ではトップクラス。
粘膜や皮膚を強化することでせき、のどの痛みを緩和に役立つ。
ビタミンB群、ビタミンC、クエン酸が夏風邪の症状緩和、疲労回復、食欲回復を助ける。葉に含まれるタンニンは、細菌の繁殖や炎症を抑える働きがあり、かぶれなどの皮膚疾患に治療に役立つ。
ポリフェノールは、活性酸素の働きを抑止し、老化やガンの予防に役立つ。
大きな種子には咳を鎮める効果のアミグダリンが存在。びわ酒を作るときは種子ごとつけこむといい。
栄養成分
カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、食物繊維
注意点
非常に痛みやすいので、買ったらすぐに食する。
ポイント
皮をむくと変色しやすいので、食べる直前に皮をむくか、レモンのしぼり汁をふっておく。
アミグダリン
毒性があり、体内で分解されると青酸が発生。量はわずかだが、種子を大量に食べたり、種子の粉末を食べるのはほどほどに。なお、アルコール漬けで分解されるので漬け込んだびわ酒は安全。
びわの葉
葉は抗菌作用のある精油成分やポリフェノールが多く、昔から薬草茶として利用。江戸時代には夏バテ防止用にも。焼酎につけたびわ葉酒は入浴剤や湿布薬にも。
コラム
この2022年はどうやらびわの当たり年らしいですね。どこでもたわわになっていて袋が被せていないとムクドリあたりの餌食になっています^^安くなるかな?
*超簡単でおいしいびわレシピ動画