な、な、なんと!ナトリウムは重要なミネラルです・・・塩
産地と属性
おもに海水や岩塩からつくられる、塩化ナトリウムを主成分とした物質、塩のうち、食用に供するもの。
原材料には、「岩塩」「海塩」「海水」「湖塩」などがあり、日本では海水からつくられることも多く、その方法は、海水を一度濃縮し、その後煮詰めて塩を取り出すというもの。
歴史は古く、『古事記』によれば塩土老翁(しおつちのおきな)が製塩を始めたとされる。縄文の末期の農耕へ切り替わる時期だと言われている。
安土桃山時代になると海水を浜にまき、乾燥させて塩の結晶がついた砂を集めてつくる方法となり、現在でも能登半島ではこの製法が用いられている。
一般に食塩として流通しているもののほとんどは、輸入された岩塩を加工したもの。
日本近海の海水を原料に作られた純国産のものとしては、沖縄県、熊本県、山口県、石川県などが有名。
海水から摂取するのは大変な労力がかるが、昭和47年に効率の良い「イオン交換膜法」に全面的に切り替えられた。
「ブランド塩」ともいうべきこれら産地の塩は、かなり値の張るものもある。
おもに調味料として用いられる。
野菜は塩茹でで色鮮やかになり、パンやうどんは塩でグルテンの形成をする。
他にも変色防止、腐食防止、ぬめりや粘りを除くなどさまざまな調理効果もある。
栄養成分の働き
主成分である塩分(ナトリウム)は、神経や筋肉の働きを助け、体温の調節にも働く。
また、情報伝達をスムーズに行い、体調を整え、新陳代謝に働く。
腎臓の働きを助け、老廃物を尿と一緒に体外へ出す。
血液が酸性になるのを防ぎ、体を弱アルカリ性に保つなど、多くの働きをもつ。
栄養成分
おもに塩分
注意点
とりすぎると、高血圧症や腎臓病、心臓病などを招くこともあるので気をつける。
1日の摂取量を、成人男性10g以下、成人女性で8g以下とすることが推奨されている。
(「日本人の食事摂取基準」2005年より)
ポイント
常温に強く、腐敗もしないので、賞味期限がない。
密閉容器に入れ、湿度の低い場所で保存する。
湿気によって固まった場合、フライパンで空煎りや、電子レンジにかけて水分を蒸発させるとよい。高血圧を予防するには、ナトリウムを排出するカリウムを豊富に含んだ野菜や果物と一緒にとるとよい。
海塩
海水から採取した塩、海水を窯で煮詰める。日本の主流はイオン膜で濃縮して煮詰める。
湖塩
塩分濃度が高い塩湖(死海、カスピ海、バルハシ湖など)から採取される。
岩塩
もともと海だった土地に見られる海水の塩分が結晶化した地層から採取。
選ぶときはパッケージをチェック
日本の塩の多くは海塩で、世界全体では1/3くらい。他の大多数は岩塩や湖塩から精製されたもの。
パッケージの多くは「食用塩の表示に関する公正競争規約」に基づいていて、原材料名や「天日」、「イオン膜」、「溶解」と言った製造工程の情報なども入っている。