料理にコクと香と魅惑をプラスしてしまう!・・・バター
産地と属性
おもに牛乳を原料とした食用油脂。
漢字では「牛酪」と書く。
牛乳に含まれる脂肪分を凝固させて作る。
100g作るには約4.8リットルの牛乳が必要とされる。
古代インドの叙事詩『マハーラーバタ』や『聖書』などにも記述があり歴史は古いが、正確な起源は不明。
当初は革製の袋に生乳を入れて木につるし、棒で打って揺すって作っていたと考えられている。おもに、整髪料やボディクリームなどとして使われていた。
9世紀ころに、フランスで本格的に食用として利用された。
日本では、明治維新後、政府が外国人に乳製品を供給するために酪農の普及を命じたことがきっかけで広まった。
おもな産地はインド、アメリカ、パキスタン、ドイツなど。国内では北海道。
乳酸発酵させる「発酵バター」と、そのまま作る「無発酵バター」があり、それに食塩を加えた「有塩バター」と加えない「食塩不使用バター」に分かれる。
市販のものは、無発酵で有塩である場合がほとんどである。
バターの脂肪は比較的消化がよく、効率的にエネルギーに変わる。
揮発性脂肪酸と微量の芳香成分が独特の香りと風味を生み出す。
料理では調味料やソースの材料、焼き油や炒め油、バターライスなど、広く利用される。
|
栄養成分の働き
【有塩バター】
ビタミンAが牛乳より13倍も多く含まれており、成長の促進や美肌に働いたり、のどや鼻を細菌から守る働きをもつ。
ほかにもビタミンD・Kが含まれ、骨の健康維持や形成を促す。
さらにビタミンEも含み、体内の酸化を防いで、老化や動脈硬化の防止に効果が期待される。
カリウムやカルシウムも含まれ、細胞を正常に保ち、丈夫な骨や歯の形成に有効である。
栄養成分
脂質、たんぱく質、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、ビタミンA・K・E・Dなど
注意点
一度溶けると組織がこわれ、再度冷やしても風味も口あたりも悪くなる。
また、高温・多湿で放置すると、細菌やカビ、酵母によって色調が変わり匂いがでる。そして、空気中の酸素によって酸化しやすく、味や風味が低下する。
また、日光を浴び続けると栄養成分が逃げる。
カロリーが高く、脂質と塩分も多いので、食パン1枚に塗るなら10g程度に。
ポイント
高温・酸化に弱く、ほかの匂いを吸収するため、密封容器で冷蔵庫に入れて保存する。未開封なら一年ほど保存可能。
しばらく使わない場合は、小分けにしてラップに包んで冷凍してもよい。
*バターのカンタン動画レシピ