春からが旬!富山湾の宝・・・タウリンがうれしい白エビ
産地と属性
オキエビ科の一種で、水深100~300メートルの深海にすむ、体長50~80ミリほどの小型のエビ。日本近海だけでなく、インド洋・地中海・大西洋にも広く分布しているが、いわゆる「白エビ 漁」として大々的に獲られているのは、富山湾だけである。
標準和名は「シラエビ」であり、「シロエビ」はクルマエビ科の一種で別のエビになる。
ただし、産地の富山では通常「シロエビ」と呼ばれ、別名「ベッコウエビ」「ヒラタエビ」と呼ばれることもある。
生きている時は無色透明もしくは薄いピンクをおびた体色をしているが、収穫後時間とともに乳白色になるため、この名がついた。
漁期は4月1日から11月までで、解禁日から夏場までの時期が最盛期となる。
生のものは傷みが早いため、以前は干物にしてだしなどに使う程度だったが、流通網や冷凍技術の発達により、刺身や寿司ネタとしても一年中食べられるようになった。
栄養成分の働き
殻ごと食べることで、骨を丈夫にし、骨粗鬆症などの予防に効果のあるカルシウムを多く摂取できる。
また、キチンという不溶性食物繊維も含まれており、便秘の予防・改善に役立つだけでなく、コレステロールや塩分などを体外に排出し、糖尿病や高脂血症などの予防にもなる。
その他に、コレステロール値を下げるEPAやDHAの他、タウリンなども含む。
タウリンは脳卒中や高血圧、心臓病の予防の他、疲労回復や視力回復にも効果が期待できる。
栄養成分
たんぱく質、カルシウム、マグネシウム、リン、キチンなど
注意点
刺身用に売られているものには「手むき」と「機械むき」のものがある。
手間がかかる「手むき」の方が価格も高くなるが、白エビが本来持つコクのある甘みや食感が保たれている。
また、冷凍のものを入手しても殻は向きやすいため、家庭でも刺身として食すことができる。
*白エビのカンタンレシピ動画
アスパラギン酸で疲労回復・・・うど
産地と属性
ウコギ科タラノキ属の多年草。日本全域の日のあたる山野に自生する。
旬は、冬から春。
自然のものは、香りが強く、シャリシャリとした独特の歯ごたえがある。
店先で売られているのは、日光をあてずに栽培した白いウド。
姿は大きいが役に立たない人という意味の「ウドの大木」という言葉は、中が空洞で2mあるが弱くて使い道がないと思われていたウドからきている。
栄養成分の働き
水分が多く、糖質が主体となる野菜で、通常の野菜のようにビタミンやミネラルの供給源とはならないが、風邪の引きはじめの熱の解熱、神経痛、リウマチ、頭痛の緩和を助ける。
香りの成分であるリモネンは、血行をよくし、新陳代謝を活発にする働きと、発ガン遺伝子の活動を抑制する働きを助ける。
渋みのもとである、タンニンは抗ウィルス作用で感染を防ぐ働きとコレステロール値を下げる働きを助ける。
栄養成分
たんぱく質、炭水化物、カリウム、カルシウム、リン
ポイント
アクが強いので、調理の際は皮を厚めにむいてすぐに酢水につける。
*ウドの簡単レシピ動画
全国各地に身近な山菜・・・わらび
産地と属性
コバノイシカグマ科ワラビ属。
漢字では「蕨」と書く。
「ワラビナ」「ヤワラビ」「サワラビ」「シトケ」などの別名がある。
子どものこぶしに似ているところから、「蕨手(わらびて)」とも呼ばれる。
「藁火(わらひ)」の意味で、その色が焼いた藁に似ていることから名づけられたとする説や、「わら(茎)」「み(実)」の「わらみ」が 変化したもので、食べられる茎の意味からとの説がある。
山菜の一つで、若芽は褐色の毛でおおわれ、高さ30㎝ほどに成長すると渦状に巻いたこぶしの部分が開き、羽状に分かれた三角形の葉になる。
明治以降に栽培されるようになり、葉があまり伸びないうちに収穫される。
日本全土の日当たりのよい草原、林辺、土手などに自生する。
おもな生産地は、山形県、岩手県など。
旬は春。
古くは『万葉集』にも詠まれている。
天明・天保の大飢饉(ききん)のとき、飢餓(きが)を救った米沢藩主、上杉鷹山(ようざん)の時代に著された「山菜書」にも、このとき食されていたことが記されている。
アク抜きが必要だが、最近はアク抜きをした水煮や塩漬け、乾燥ものが出回っており、1年を通して食べられる。
若芽が巻いているやわらかい茎葉部分を、煮つけや天ぷら、汁物、おひたし、あえ物などにして食する。
根茎のでんぷんを「ワラビ粉」と呼び、ワラビもちの原料となる。
栄養成分の働き
乾燥させると栄養価が高くなり、カロテンやビタミンA、カルシウムなどが100g中に生の約10倍に増え、1日に必要な摂取量がとれてしまう。
カロテンやビタミンAには、免疫機能を高める働きがある。
さらに食物繊維も多く、1日の必要量の2~3倍が摂れるので、便秘ぎみの人には効果的。
栄養成分
ビタミンA・B2、カロテン、カルシウム、食物繊維など
注意点
アクには発がん性物質が含まれているといわれるが、アク抜きと煮つけの熱処理をしっかりすれば心配はいらない。
ポイント
アクが強いので、木灰や重曹で十分にアクを抜いてから食べる。
30~40㎝くらいのものを選ぶ。
塩漬けで保存する場合は、一晩水につけ、塩をまぶしてビニール袋に入れて冷凍する。
*わらびのカンタンレシピ動画
春を告げる味覚!・・・ふきのとうってふきだったんだ^^
産地と属性
キク科の多年草であるフキの花、もしくは花のつぼみ。葉よりも先に花が地上に顔を出す、珍しい植物。
漢字では「蕗の薹」と書く。日本原産で、全国の山野に自生する。
日本以外では栽培されておらず、日本独自の食品といえる。
縄文時代から食べられていたともいわれ、その歴史は長い。
旬は2月から3月で、春を告げる山菜として知られる。
全国で生産されるフキの60%以上が愛知県で生産されており、フキノトウの生産も多い。
現在流通しているもののほとんどは、「愛知早生ふき」という品種。
苦味を楽しむ、早春の山菜のひとつとして知られる。天ぷらやみそ汁の実、フキみそなどにして食べる。
冬眠から目覚めた熊が、新陳代謝を上げるため、初めに口にする食べ物ともいわれる。
栄養成分の働き
独特の苦味は、フキノール酸、ケンフェノール、アルカロイドなどのポリフェノール類。
胃を丈夫にして、腸の働きを整える。新陳代謝をあげる効果もある。
成長したフキよりも多くのビタミンCやカロテンを含み、相乗効果で動脈硬化予防にとてもよい。
ゴボウ以上に食物繊維が含まれており、便秘症の予防によい。
たん切りの薬効は昔から知られ、薬用としても生かされてきた。
栄養成分
ビタミンA・C、カロテン、カリウム、カルシウム、食物繊維など
注意点
肝毒性のあるペタシテニンが含まれているので、みそ汁やあえ物、つくだ煮にするときは、必ずアクを抜く。
2時間は水につけることが必要。
途中で水が黒ずんだ場合は、水をかえる。
天ぷらにする場合は、揚げている途中でつぼみが開くときに苦味が取れるため、前もってアクを抜く必要はない。
苦味が強いときは、熱湯でさっとゆでるとよい。
ポイント
育ちすぎていないものを選ぶ。
丸く太っていて、つやのあるものがよい。
*カンタン!ふきのとうレシピ動画
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動脈硬化予防にも!早春が旬・・・ワカメを召し上がれ^^
産地と属性
流通しているのは生ワカメ、干しワカメ、塩蔵ワカメの3種類。生ワカメは直接海から刈り取られたものではなく、一度湯通ししたもの。
産地は北海道から九州まで広域だが、鳴門海峡産の鳴門ワカメ、三陸産の岩手ワカメは有名。
養殖は1965年ごろから盛んになり、現在は大半を占める。
魚の養殖とちがい、エサなどは与えないので、安全性に問題はないとされる。
コンブ目の海草。
栄養成分の働き
注目の栄養素は、ぬめり成分のアルギン酸やフコイダンなどの多糖類と、カルシウム、ヨード(ヨウ素)
アルギン酸は、腸内で食物中のナトリウムと結合して体外に排泄させる作用があるので、塩分のとりすぎを防ぎ、血圧の上昇を抑える作用がある。
動脈硬化の悪化を防ぐ効果も期待できる。
フコイダンは、がん細胞を崩壊させ、免疫機能を活性化させる。ピロリ菌が胃壁につかないように
する作用も。
ヨードは、血行を促し、血圧を下げ、血管や細胞の老化を予防する。甲状腺腫や放射線障害を防ぐ効果もある。
栄養成分
アルギン酸、フコイダン、カルシウム、ヨード(ヨウ素)
注意点
生ワカメは早春が旬で、若いほど味がよい。干しワカメは黒緑食でつやがあり、厚みと弾力性があるものを選ぶ。
塩蔵ワカメは塩がつきすぎず、日焼けしないように色つきの袋に入っているほうがよい。
ポイント
朝のみそ汁にワカメを食べると、解毒作用があり、イライラも鎮めるので元気に1日がスタートできる。
また、酢との相性がよく、組み合わせるとコレステロール値や血圧を下げる効果を補強し、素材をやわらかくするので、手軽に作れる酢の物がおすすめ。
茎わかめ
わかめの茎の芯の部分。肉厚でコリコリとした食感が特徴。塩漬けと乾燥がある。
メカブ
根元の部分でぬめりが強く、食物繊維とミネラルが豊富。生と乾燥がある。
コラム
まさにワカメの旬は早春のこの時期。我が家ではワカメ三昧の日々!メカブをさっと湯がいて刻み醤油のみでいただいてます。茎わかめも生が出回るこの時期は美味しく感じますね。
*超カンタン!メカブの簡単レシピ動画
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色白ちゃんでも栄養価抜群!・・・安くて嬉しい「もやし」類
産地と属性
モヤシというのは植物名ではなく、豆類や穀類などの種子を水にひたし、日光を遮断して発芽させた新芽野菜の呼び名である。
一般的に、豆類の種子を発芽させたものをモヤシと呼んでいる。
原料の豆や種子によって種類が異なり、若干だが、栄養成分も変わる。
施設や工場で栽培されるため、一年じゅう出回り、価格も安く、安定して供給される野菜である。
栄養成分の働き
発芽によって豆本体にはほとんどなかったビタミンCが一気に増加し、アミラーゼという消化酵素が生まれる。
アミラーゼはデンプンをブドウ糖などに分解する酵素で、消化を助けて胃腸を整え、食用不振を改善する効果がある。
さらに、植物性たんぱく質をはじめ、ビタミンB1、ビタミンB2、鉄など、豊富な栄養素を多量に含む。
ダイズモヤシ:ダイズを原料としている。リジンやトリプトファンなど、人間の体内ではつくられない必須アミノ酸を多く含む。
リョクトウモヤシ:もっとも多く出回っている種類。ブラックマッペモヤシに次いで、ビタミンCを多く含む。
ブラックマッペモヤシ:黒緑色のケツルあずきを原料としている。ビタミンC含有量が、モヤシの中ではいちばん豊富。糖質が少なく、亜鉛や繊維質を多く含む。免疫細胞を活性化する、レクチンという成分も含まれている。
豆苗:えんどう豆の新芽である。免疫機能を強化し、活性酸素の生成を防ぐカロテンが豊富。
アルファルファモヤシ:ムラサキウマゴヤシという、牧草の種子からつくられている。カロテンを豊富に含む。生食できるので、ビタミンCの損失もなく、一度にたくさん食べられる。
栄養成分
タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、アスパラギン酸、葉酸、食物繊維、鉄、カリウムなど
注意点
ゆですぎると、ビタミンCが損失してしまう。水につけたままにすると、ビタミンCが溶け出す。
ポイント
いたみが早いので、鮮度のよいものを選ぶこと。
色ツヤがよく、ハリのあるものがよい。
茎が太く、ヒゲができるだけ白く、豆が開いていないものが良品。
どう茹でる?
*水から茹でるとシャキシャキした食感が残る。お湯でさっと茹でるのは栄養価の損失が少ない。
*もやしのカンタン美味しいレシピ動画
免疫力をアップして疲労回復!・・・やまいも
英明産地と属性
ヤマノイモ科ヤマノイモ属で、つる性の多年草。
ヤマイモはヤマノイモの品種の一つで、自然薯(じねんじょ)、だいじょ、長いもの3種類があるが、成分はあまり変わらない。
原産地は中国で、日本では古くから「山のうなぎ」ともいわれ、精力がつく食品として重宝されてきた。おもな生産地は青森県や鳥取県などで、旬は秋から冬にかけて。
いものなかでも、唯一生で食べることができる。
漢方薬では乾燥させたものを「山薬」といい、強壮剤の原料として使われている。
栄養成分の働き
粘り成分であるムチンには、胃腸の粘膜をうるおして保護する働きがある。また、たんぱく質の消化吸収をよくする作用があるので、滋養強壮に効果がある。
アミラーゼやジアスターゼなどのでんぷん分解酵素を豊富に含んでいるので、消化吸収を助ける。ただし、加熱すると、この働きが激減してしまう。
食物繊維を豊富に含むので、便秘の解消や整腸に役立つ。
栄養成分
たんぱく質(ムチン)、食物繊維、カリウム、ビタミンC、ビタミンB1、ジアスターゼ、アミラーゼ
注意点
手がかゆくなることを防ぐには、調理前、手に少量の酢か塩をつけるとよい。
切ったあとの変色を防ぐには、酢水につけるとよい。ただし、ムチンが水に溶けだしてしまうので、短時間にすること。
選ぶ際には、表面に傷やでこぼこがなく、皮に張りがあるものがよい。
ポイント
大根に比べ、3倍ものアミラーゼやジアスターゼが含まれている。
アミラーゼやジアスターゼは熱に弱いので、とろろごはんなどにして生で食べるとよい。
胃腸の調子がすぐれないときや、飲みすぎによる胃のむかつきを感じたときにもおすすめ。
ジオスゲニンで若返り
やまいもに含まれるジオスゲニンは、植物ステロールの一つで、低減したホルモン量を回復させる働きがあるので、筋力トレーニング効果を高めたり、女性では乳腺を増やしてバストアップしたり、更年期症状の改善などが期待できる。またアルツハイマー型認知症の原因とされるタンパク質「アミロイドβ」がジオスゲニンの摂取で減少することもわかってきて、認知症予防になるのではと言われる。
*やまいも簡単レシピ動画