近年、日本の干物といえばこの魚かな?・・・ほっけ(𩸽)
産地と属性
アイナメ科ホッケ属の魚。漢字では「魚へんに花」、「北方」と書く。
海の表層に群れる幼魚が美しい青緑色をしていて、花のように見えることが語源とされるが、産卵期のオスがコバルト色になり鮮やかな唐草文様が見られるからなど、名称の由来には諸説ある。
成長するにしたがって、「アオボッケ」「ロウソクボッケ」「マボッケ」「ネボッケ」と呼び名が変わる。
暗褐色のやや細長い紡錘形をしており、尾びれの後端が深く切れ込んでいるのが特徴の白身魚。
全長は40から60㎝。黄色い縞模様をした縞ホッケ(キタノホッケ)もある。
旬は春と秋の2回。春から夏のものは塩焼き、干物、フライが、秋冬のものはすり身がおすすめ。
北海道周辺を中心に獲れる。
とくに羅臼(らうす)ホッケは大きめで脂ののりがよく、最上物とされている。
ニシン漁が盛んだったころ、ニシンの卵を食べてしまうため、厄介者とされていた。
だが、ニシン漁が下火となり、戦中・戦後の食糧難の際には、配給品として塩漬けのホッケが出荷された。
現在のように「開き」として食べられるようになったのは、昭和50年代に入ってから。
時期によって味わいが異なり、春から夏のものは脂がのっていて、秋から冬のものは脂分がやや少なめ。
鮮度の落ちるのが早いため、開いて干物にすることが多い。
干物の流通はほとんどが「キタノホッケ。」
肉厚の身はクセがなく淡白な味わいで、箸で簡単にほぐれて食べやすい。
干物が定番であるが、塩焼きや煮つけ、フライ、すり身などでも食される。
近年、生け締めにされたものの入荷もあり、刺身で食べられるようになってきた。
栄養成分の働き
ビタミンAの含有量が多く、その抗酸化作用によって生活習慣病やがんの予防に効果があるだけでなく、眼精疲労の改善や、皮ふ病の予防にも十分な効果が期待されている。
とくに開き干しにするとカルシウムの含有量が増し、1枚で成人が1日に必要な摂取量の8割をまかなえるほど。
さらにビタミンDも含んでいるので、効率よく体内にカルシウムを取り入れることができ、骨粗しょう症の予防、骨や歯の強化に最適。
栄養成分
ビタミンA・B1・D、ミネラル、EPA、DHAなど
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注意点
刺身など生で食べる場合は、寄生虫(アニサキス)が繁殖していることがあるので注意が必要。
煮つけにする場合は、身くずれしやすいので短時間で調理する。
ポイント
干物を焼くときは、身のほうからじっくり焼いてうまみを閉じ込める。火加減は強火から中火で7分ほどを目安に。ひっくり返して皮目を5分ほど中火で焼く。こうすると皮はパリッと、中はふっくら仕上がる。
冷凍すれば1~2か月は保存可能。解凍は冷蔵庫で行い、早めに食べる。
コラム
以前、北海道で生ホッケの塩焼きをいただきましたがそのおいしさは干物とは別格でふわふわの食感!忘れられません。
*カンタン!一味違うホッケの干物焼きレシピ動画。