マスタードってじつは何?辛みにはがん予防効果も。・・・マスタード
産地と属性
アブラナ科の一年草。日本名をカラシナ、ガイシ、芥子(からし)という。
ホワイトマスタードとブラックマスタードがある。
原産地は両者とも南ヨーロッパ、地中海沿岸。
種子を乾燥させて粉末にしたものや、水、ワイン、酢などを加えて練ったものが多く利用されている。
種子そのものには香りも辛みもなく、粉末を温水で錬ると、香りと辛みが生まれる。
ブラックタイプには鼻に抜ける刺激的な辛みがあり、ホワイトタイプは軽い辛みが特徴。
ギリシャの数学者ピタゴラスは、「サソリによる刺傷の中和剤としてマスタードは有効」と述べたといわれる。
ローマ時代初期のワイン造りには、ブドウ液(ムスト)に、マスタードの種子の粉末を混ぜてペースト状にしたものが加えられ醸造されていた。
これをムスタムアーデンス(燃えるムスト)と呼んでいたことから、「マスタード」という名前が生まれ、のちに種子そのものの呼称となった。
中世のヨーロッパでは、庶民が使用できる唯一のスパイスとして、広く愛好されていた。
日本で一般に使われるようになったのは室町時代以降で、からし酢やからしみそができたのも、そのころとされている。
種子から搾油(さくゆ)したマスタード油には消炎作用があり、ヨーロッパでは古くから塗り薬や湿布に利用されていた。
日本でも、「加良之」「可良志」の名で、打ち身や神経痛、関節痛に使用されてきた。
栄養成分の働き
辛み成分であるアリルイソチオシアネートの抗菌作用によって、食中毒を予防する効果がある。
また、がん予防や血栓の予防、唾液や消化液の分泌を促進して食欲を増進する効果もある。
β(ベータ)‐カロテンには、強い抗酸化作用があり、がん予防の効果が期待されている。
栄養成分
β‐カロテン、アリルイソチオシアネートなど
ポイント
時間がたつほど香りと辛みがなくなるので、粉末のものを使うたびに練り上げるとよい。ぬるま湯で錬ったあと、器を逆さにして5~10分おくとアクが抜ける。
ほんの少し白みそやしょうゆを加えるとまろやかになり、味に深みが出る。
からしとマスタードって?
カラシナの種子をすりつぶしたものが粉からし。それを水でねったものが練りからし。マスタードはかなしな(西洋からしな)の種子にワインや酢、砂糖などを加えたもの。種皮を取り除いた滑らかタイプと粒々がそのまま残っているタイプがある。
*カンタンで美味しいマスタードレシピ動画
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