よくぞ発明してくれました!鍋のお供・・・ポン酢
産地と属性
本来は、レモン・ライム・ユズ・スダチ・カボスなどの柑橘類の果汁に酢を加えて、保存できるようにした「ポン酢(ぽんす)」を指していたが、現在ではそれにしょうゆ(醤油)を加えた調味料である「ポン酢しょうゆ」を「ポン酢」として使う方が一般的になっている。
また逆に、本来のものの方は「生ポン酢」と呼ばれるようになってきている。
名前の由来は、同じ柑橘類であるデコポンやポンカンの「ポン」が元であるとする説があるが俗説であり、オランダ語で柑橘類を使ったカクテルを意味する「ポンス(pons)」に由来するというのが正しい。
その源をたどると、インドにあった「パンチ」(ヒンディー語で「5」の意味があり、蒸留酒・砂糖・レモン果汁・水・香辛料又は紅茶の5種類の材料で作られる)というカクテルがイギリスに渡って「パンチ(punch)」「ポンチ(ponch)」となり、さらにオランダに伝わって「ポンス」となったということである。ちなみに、「プルーツポンチ(パンチ)」はこのカクテルにフルーツの切り身などを浮かべたもので、アルコールの入っていないものもある。
ポン酢しょうゆは、別名「味付きポン酢」と呼ばれるように、柑橘類の搾り汁に酢としょうゆを加えた上に鰹節や昆布のだしを入れたものが多く出回っている。
また近年はジュレタイプのものも登場し、一時的なブームを巻き起こした。
全国で作られており、北は青森の「おろしリンゴ」から南は沖縄の「シークワーサー」まで、各地の特産品を使ったものも多い。
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栄養成分とその働き
柑橘類の果汁には、疲労回復に効果があるクエン酸が含まれており、カルシウムなどのミネラルの吸収を助ける作用がある。
さらに、それぞれで含有量が異なるものの柑橘果汁のほぼすべてに含まれているビタミンCは、免疫力アップに関わっていることや、強い抗酸化作用を持つことから、活性酸素を原因とした老化や生活習慣病予防にも一定の効果が期待されている。
また、酢の主成分である酢酸は体内でクエン酸に変化するため、柑橘果汁のクエン酸とほぼ同様の働きをすると考えられている。
注意点
ポン酢に含まれる塩分は、濃い口醤油などにくらべると量は少ないが、さっぱりとした味覚とともに、鍋のつけダレとして使う場合は味が薄まりやすいため、使いすぎてしまうことがある。
塩分量の控えている人は摂り過ぎないように注意が必要。
また、みりんや砂糖などを加えているものも多いため、カロリーや糖質制限をしている人も注意したい。
ポイント
しょうゆと柑橘類またはその果汁があれば、家庭でも簡単に作ることができる。
料亭や割烹などは、柑橘類の種類や酢、だしなどにこだわった独自の味を追求したものを作って使っている場合が多い。
*ポン酢が活躍!カンタンレシピ動画