栄養素別食物ランキング・・・大事な大事な食物繊維!
食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、
大腸まで達する食品成分です。
便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、
血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロー
ル濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっ
ています。
現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分
ですので、積極的に摂取することが勧められます。
大腸まで達して、おなかの調子を整える食品
食物繊維というと「繊維」という言葉から、細い
糸のような、スジ状のものをイメージされがちで
す。しかし「ネバネバ」するものから、水に溶けて
「サラサラ」した状態のものまで、多くの種類が
あります。
特定保健用食品で「おなかの調子を整える食品」
として認められている成分の多くが食物繊維です。
食物繊維は「人の消化酵素で消化されない食物中
の難消化性成分の総体」と定義されています。
消化管の中で消化酵素によって分解(消化)され、
小腸から体の中に吸収されていきますが、食物繊維
はこの消化酵素の作用を受けずに小腸を通過して、
大腸まで達する成分です。
水に溶けないセルロースやリグニン、水に溶ける
ペクチンやアルギン酸などの成分があります。
さらに消化されにくい性質を持ったデンプン
(難消化性デキストリン)、オリゴ糖などの
成分も含まれます。
はたらきとして、便の体積を増やす材料となるとと
もに、大腸内の環境を改善する腸内細菌に利用され、
これらの菌を増やすことが明らかとなっています。
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日本人の摂取量は減少傾向にある
日本人の平均食物繊維摂取量は、1950年頃には一人
あたり一日20gを超えていましたが、穀類・いも類・
豆類の摂取量の減少に伴い、減少傾向にあります。
最近の報告によれば、平均摂取量は一日あたり14g前後
と推定されています。
厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
では、一日あたりの「目標量」(生活習慣病の発症予防を
目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量)は、
18~64歳で男性21g以上、女性18g以上。
食物繊維は、体に絶対的に必要な栄養素ではありませんが、
体の健康に深く関与する食品成分です。
平均摂取量と目標量の差を見て明らかなように、
食物繊維の積極的な摂取が必要です。
一日当たりプラス3~4gを目標に
食物繊維は、魚介類や肉類などの動物性食品には
ほとんど含まれず、植物性食品に多く含まれます。
食物繊維を手軽にとりたい方へお勧めするのは、
主食の穀類からとる方法です。
一日のうち1食の主食を玄米ごはん、麦ごはん、
胚芽米ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えると、
効率的に食物繊維が摂取できます。
また、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類などに
も多く含まれています。
食品で見ると、そば、ライ麦パン、しらたき、さつまい
も、切り干し大根、かぼちゃ、ごぼう、たけのこ、ブロ
ッコリー、モロヘイヤ、糸引き納豆、いんげん豆、あず
き、おから、しいたけ、ひじきなどは、1食あたり摂取
する量の中に食物繊維が2~3gも含まれています。
効率的に食物繊維をとるには、これらの食材を毎日の
食事の中に上手に取り入れると良いでしょう。
食物繊維は現在、多くの日本人が不足気味ですので、
まずは一日あたりプラス3~4gを目標に、積極的に摂取
することが勧められる食品成分です。
厚生労働省e-ヘルスネットより。
No.1 ひじき(乾)・・・5.2g(10g)
No.2 ブロッコリー・・・4g/ 3〜4房(90g)
No.3 アボカド・・・・3.7g 2分の1個(70g)
No.4 ライ麦パン・・・・3.4g 6枚切り1枚(60g)
No.4 納豆・・・・・・・3.4g 1パック(50g)
No.6 たけのこ(ゆで)・3.3g 2分の1本(100g)
No.7 そば ・・・・・・3.2g 1杯(160g)
No.8 くり ・・・・・・2.9g 5個(70g)
No.9 サツマイモ・・・・2.1g2分の1本(95g)
No.10 りんご1.7g・・・2分の1個(100g)
*意外にイメージと違うものもランクイン!
日本人の摂取が減っているのは間違いないですね。