日本で人気の不発酵茶・・・「最強の抗酸化飲料」緑茶
産地と属性
ツバキ科ツバキ属の常緑樹である「チャ」(茶樹とも呼ばれる)の葉を加工した嗜好飲料。日本で生産された緑茶は「日本茶」とも呼ばれ、口あたりがよく、全国的に流通している。
「チャ」の原産地は中国で、現在は日本やインド、スリランカでも栽培されている。
日本には6世紀に仏教とともに伝わり、古くから健康を増進し、病気を予防する働きがあるとして常飲されてきた。
日本でのおもな生産地は、静岡県、鹿児島県、三重県、京都府で、海外にも輸出される。
「中国式釜炒り緑茶」と「蒸し製法緑茶(日本茶)」に大別され、後者は、栽培法や摘み取り時期、製造工程などの違いで6種類(抹茶、玉露、煎茶、番茶、玄米茶、ほうじ茶)に分類される。
1996年にO-157による感染症が多発したとき、含有成分である「カテキン」が注目を集めた。その後もさまざまな研究が行われており、健康への効果・効能が明らかになっている。
そのほか、茶道や美容などさまざまな用途で利用されている。
抹茶
日光をさけ、育てた緑茶を蒸して乾燥。葉脈を取り除いて石臼で引いたもの。
煎茶
茶葉を蒸してもみ、乾燥させたもの。もっとも日本で多く飲まれる。
ほうじ茶
煎茶や番茶を強火で煎って作られる。香ばしさが魅力。
番茶
伸びすぎた茶葉や刈り込みで取れた茶葉で作られる。
龍井茶(ろんじんちゃ)
中国を代表する緑茶で釜炒りによる加熱がほとんど。渋み少ない。
玉露
高級茶。直射日光をさけ焙煎される茶葉で旨味、甘味が強い。
栄養成分の働き
渋み成分である「カテキン」はポリフェノールの一種で、強力な殺菌作用のほか、抗ウイルス・抗酸化作用、消臭作用をもつ。さらに、コレステロール値を低下させ、血糖値の急激な上昇、アレルギー症状の抑制にも働く。
ビタミンCが多く、含有量はレモンの約5倍、ピーマンの約3倍といわれている。
通常、ビタミンCは熱で消滅するが、緑茶では熱に強い構造をもっているので成分がそのままとれる。
美肌やかぜの予防には、欠かせない栄養素である。
うまみ成分のテアニンには、脳や神経の働きを調整し、リラクゼーション効果をもたらす働きがある。苦み成分のカフェインには、中枢神経を刺激して眠気をさます作用がある。また、知的能力の向上や運動能力の向上、利尿作用がある。
栄養成分
(種類により異なるため、おもな成分のみ紹介)
ビタミンA・C・E、カルシウム、リン、カリウム、テアニン、カフェインなど
注意点
鉄の吸収を防ぐタンニンが含まれているので、貧血時や妊娠している人は飲みすぎに注意する。また、カフェインもとりすぎると眠れなくなるため気をつける。
ポイント
茶葉を料理やお菓子などに利用して、葉ごと食べるとより成分を吸収できる。
カフェイン
茶の葉、コーヒー豆、カカオ豆などに含まれるアルカノイドで苦味のある白色の結晶。特に偏頭痛の痛みに効果。中枢神経を活発にし、心臓の動きを活発にするので眠気、疲労感を解消。効果的な脂肪燃焼のためにも、運動前の摂取がおすすめ。利尿作用でむくみとり、血圧降下も。
カテキン
プリフェノールの一種で「タンニン」と呼ばれてきた渋みの主成分。コレステロールの吸収を抑え、脂肪の吸収を穏やかに。しかも悪玉コレステロールのみに作用する優れもの。活性酸素を消去するビタミンC,Eなども多く、最強の抗酸化飲料とも言われる。
*シンプル「お茶ご飯」レシピ!